一般社団法人スラックライン推進機構と信州大学工学部及び、株式会社東陽テクニカが、世界初となるスラックラインの工学的解析研究を開始しました。
2019/07/16
一般社団法人スラックライン推進機構(本部所在地:長野県上高井郡小布施町、代表理事:林 映寿)と信州大学工学部の香山瑞恵教授(所在地:長野県長野市若里)、株式会社東陽テクニカ(所在地:東京都中央区八重洲)は、それぞれの専門分野に関する知識、技術を用いてスラックラインの工学的解析研究を開始します。 研究の目的は、スラックライン競技・技術向上のため、スラックライン競技に伴う運動を工学的に解析研究することです。解析結果に基づき、競技の熟達の程度を評価する方法や効果的な練習方法を探求します。
一般社団法人スラックライン推進機構は、スラックラインアスリートを育成するため、小布施町浄光寺スラックラインパークを会場にスラックラインアカデミーを開催しています。
浄光寺スラックラインパークを定期的に利用するスラックラインアカデミーの受講者を対象に、3~4週間に一度、着衣の上から小型の動作解析装置を装着し、通常歩行・スラックライン上での歩行・基本動作等を最大2セット計測します。一回の計測は、ひとり10分程度です。
動作解析装置は、スポーツ選手の運動を正確に測るために開発された装置です。取得できるデータは、3次元の加速度と角加速度です。
ジャンプの高さをはじめ、目や感覚では確認できない様々な数値データから基本動作の収集と解析をすることができます。これにより、スラックラインの上達の仕方を時系列で具体化することができます。
この動作解析装置は、文部科学省が実施した「チーム「ニッポン」マルチサポート事業及びハイパーフォーマンスサポート事業」にて、アスリートの競技力向上及びオリンピックでのメダル獲得を目的に開発されたものです。
東陽テクニカと信州大学は、装置の開発やアスリートの動作解析を行った実績があり、将来のオリンピック正式種目化を狙うスラックラインにも期待を寄せ、今回の共同研究が実現しました。
研究の成果が視覚化できることにより、スラックラインを指導する立場の人にとっても、安全で効率の良い指導ができるようになります。また、初めてスラックラインを体験する人も、データに乗っ取った体の動きを取得することで、基礎体力の向上、体幹バランスの強化、更には集中して物事に取り組む精神面の発達も期待できると考えます。
こうした取り組みや結果をもとに、今後、長野県や県教育委員会と連携し、県下の小中学校へスラックラインの導入を考えています。
将来、スラックラインがオリンピックの正式種目として採用された折には、これから蓄積するデータを活用し、ナショナルチームや強化選手の育成にも役立てたいと考えます。